当番世話人挨拶 当番世話人挨拶 第80回日本消化器画像診断研究会 当番世話人 大塚 隆生 鹿児島大学 消化器外科 教授 このたび第80回消化器画像診断研究会の当番世話人を仰せつかるにあたり、花田敬士代表世話人をはじめ関係の方々に心より御礼を申し上げます。80回目を迎える本研究会も鹿児島での開催は初めてで、第79回の久留米から九州での開催が続きますが、日常から離れて違った気分でご参加いただけるよう準備をしております。 私の本研究会への初参加は2001年2月に成田で開催された第34回研究集会で、当時注目され始めていたIPMN併存膵癌の報告をしました。その当時は九州大学臨床・腫瘍外科教室(第一外科)の大学院生で、外科教室としては珍しいERCPと十二指腸乳頭括約筋の運動生理学を専門とする研究室に所属しており、田中雅夫先生に直接ご指導を賜る機会にも恵まれました。胆膵領域の世界にはERCPによる診断学から入りましたが、今でもその経験は外科の日常診療に大いに役立っています。また私のライフワークである膵癌早期診断法開発を目指した臨床、基礎研究では、本研究会の皆様との交流が軸となり、非常に大きなネットワークを築くことができました。真の意味で本研究会があって現在の自分があると強く感じています。 昨今の専門領域の縦割り化や企業支援の縮小化に伴い、内科、外科、放射線科、病理診断科の医師が一同に会し、リアルタイムで画像や病理所見を共有する本研究会のような開催形式は極めて少なくなってきています。そういった状況のなか、本研究会が果たす役割は益々重要となってきます。そして若い世代への継承が無ければ、依然世界的な課題である膵癌の早期診断法の確立はなしえません。是非若い世代も巻き込みながら、日本ならではのきめ細やかな診断能力の向上と世界への情報発信のために皆様のご尽力を賜れれば幸いです。なお今回は第23回膵癌早期診断研究会も併設していますので、奮ってご参加いただきたいと思います。 鹿児島は世界的にも珍しいユネスコ世界自然遺産(屋久島、奄美・沖縄群島)と文化遺産(明治維新期産業革命遺構)の両者が揃う、非常に魅力的な所です。会場のすぐ目の前に鶴丸城跡や西郷隆盛終焉の地・城山がありますので、ちょっとした散策も楽しめます。また焼酎や食べ物も大変美味しく、研究会だけでなく十分に鹿児島を堪能できるよう、皆様をお待ちしております。